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後期ブロック別トーナメント

  南ブロック

   決勝 vs. 木崎ラインズC

 ビクターズ 6 ー 1 ラインズ

 

 

中心選手らのケガによる不在もあり、攻守にいいところなく予想だにしないベスト8という結果に終わってしまった後期トーナメント戦。東ブロック入りを目指していたビクターズとしては悔しい結果であったが、南ブロックでは、そのうっ憤を晴らすように、7対0、12対0と危なげなく勝ち進み、いよいよ迎えた決勝戦!相手は木崎ラインズさん。最近急激にチーム力が上がってきているという情報もあり、昇り調子の相手に対し、メンバー復活後同じく好調が続いているビクターズが決勝の舞台でどう闘うのか?!多くのご父兄が応援に駆けつける中、何とか期待に応えたい!

 

先攻のビクターズ、初回、1番キョウヘイが相手ピッチャーのエラーで出塁。足の速い1番バッターがいきなり初回に出塁、しかもエラーでというのは、どのチームも嫌なところ。逆にビクターズとしては、逃したくない絶好の場面!2番タロウがセカンドフライに倒れるも、3番サイソラがランナーを進めるセカンドゴロ。キョウヘイは一気に3塁へ!2死三塁とし、我らが4番タク!強振したがショートゴロ。が、三遊間へ飛んだコースがよく内野安打となり、幸先よく1点を先制する!

先発はリンタロウ。左のエース、サイソラがケガで戻るまで、リョウ、リクトと共に、マウンドを守った。今大会を通じてもコントロールの安定性、球威が格段に向上し、今やマウンドでのふるまいも堂々としたもの。右のエースとして、大きく成長した選手の1人。投球練習を終え、ラインズの先頭打者を迎える。さすがに決勝のマウンド、先取点は取ったものの、リンタロウもやや緊張の面持ち。少しボールも上ずり気味。ストライクを取りに行ったボールで、いきなりセンター前ヒットを打たれる。しかし1番バッター、スイングも速いし、いいバッターだ。続く2番は、打球をうまーく殺した絶妙なバント。サードショウタも懸命に突っ込むも、1塁にも投げられずセーフ。このチーム、やはり強い!ノーアウト一二塁、嫌な雰囲気が漂う中でクリーンナップを迎える。リンタロウもまだ固い表情。緊張の場面だったが、リンタロウのややボール気味の高めに対し、3番バッターはフライを上げた。レフトフライだ!が、なぜか二塁ランナーが飛び出してしまい、レフトリクトが捕球後すぐさま二塁へ送球。ランナー戻れずアウト!ビクターズナインも少し安堵の表情。2死1塁となったが、今度は4番バッター。油断はできない。4番のところで得点圏に進ませたいラインズ、1塁ランナーが盗塁を仕掛ける。最近はプレイ前の投球練習でのキャッチャー二塁送球で、タクの強肩を見て盗塁をしてこないチームも多いが、いきなり仕掛けてきた。これにタクは慌てたのか、ショート頭上を大きく超える大暴投。アチャーと思った瞬間、攻撃守備が代名詞のセンターヤマソラが猛然と突っ込み、三塁に向かったランナーを見て、待ってましたと言わんばかりに、助走付きでの矢のような送球!低弾道となり、大間木グラウンドの芝生のせいで難しいバウンドだったがサードショウタもよく捕り、ボールがグラブから少しこぼれそうになりながらも何とかタッチ!アウト!ノーアウト一二塁の場面ではどうなるかと思ったが、何とか0点に抑えた。助かった・・・。

 

2回表は6番リンタロウから。相手ピッチャーも少し落ち着いたのか、伸びのあるいいボールを低めにポンポン決めてくる。ショートゴロで1アウト。7番ショウタ。1回表もそうであったが、相手ピッチャーはスローボールにも絶対の自信を持っているのか、2回連続も含め多投してくる。それも非常に巧くコントロールを利かせ、いい所を突いてくる。そしてスローボールの後の、手元でピュッと伸びてくる球。相手ピッチャーの術中にはまり、ショウタ、ヤマソラ共にピッチャーゴロ。投球術の巧みないいピッチャーだ。

 

2回裏、ラインズは4番バッターから。リンタロウ、慎重に攻め、ピッチャー脇のサードフライに打ち取り、先ず1アウト。5番はデッドボール。続く6番はまたもやサード前に勢いを殺したいいバント。きっちり決めてくる。やや前進していたショウタ、今度は落ち着いて1塁送球し、2アウト。得点圏にランナーを置き、少しヒヤリとしたが、リンタロウは初回が終わり、落ち着きを取り戻している。力のある球で7番をショートフライ、キョウヘイがきっちりとキャッチ、3アウトチェンジ!

 

3回表、9番ユウタから。初球を積極的に打つもセカンドゴロ。次は1番キョウヘイ。こちらもスローボールを意識してか2球目を積極的に振っていく。大きく上がったライトフライ。思わずライトがポロっと落とし、キョウヘイは快速を飛ばし2塁へ!ワイルドピッチで3塁進塁後、選球眼には定評のある2番タロウはしっかり見てフォアボール。二盗後、1死二三塁となり、最近の打撃好調で今日は3番に入ったサイソラ。4球目、少し詰まった当たりだったがセカンドが捕れずライトに転がる!2点が入った!なお、1死二塁でチャンスが続く。4番タクのサードゴロの間にサイソラは三塁へ。5番、いつも笑顔で緊張しているリクト!パワーを活かした痛烈なライナーをレフトへ放つ。レフト前ヒット!更に1点を追加し、この回3点目!続く6番リンタロウ、ライト前にフラっと上がった打球が、相手セカンドとライトの間に落ちるポテンヒットとなり、リクトは俊足を飛ばし三塁へ!リンタロウもすかさず二盗で再び二死二三塁のチャンス!7番ショウタ。ピッチャー右横にライナーの強い当たりが飛んだが、これは相手セカンドが好捕。抜けていれば大量得点の流れだったが、この回は3点に留まり、4対0とした。

 

3回裏ラインズの攻撃。8番から。4対0として少し気が緩んだのか、ライナーでセンター前ヒットを打たれる。下位打線なのにしっかり振ってくる。そしてまたもや二盗を決められる。リンタロウの牽制術、タクの強肩を全く恐れず、積極果敢に走ってくる!4点差では全く安心できないとベンチも気を引き締めて檄を飛ばす。9番も送りバント。しっかりと決めてくる。1死三塁のところで1番バッターをデッドボールとしてしまう。二盗後、今度はビクターズが1死二三塁のピンチを迎える。ここでリンタロウのギアが一段と上がり、ポンポンとストライクを取り、追い込んでの速球、2番バッターを空振り三振!そして3番。ファールで追い込み、2-2から詰まった当たりのセカンドゴロ。よし、打ち取ったと思ったが、セカンドタロウの前進とバッターの俊足の勝負となり、間一髪の差で1塁セーフ!1点を取られた。またも二盗で、なお二死二三塁で強打の4番。2球目、4番が強振すると鋭いライナーが左中間方向へ!まずいと思ったが、その打球は鉄壁守備キョウヘイの真正面。ショートライナーで3アウト。ラインズにとってはアンラッキー。抜けていれば、流れが傾きかけない危ない当たりだった。3点差はまだ全く安心できない。

 

4回表、先頭は8番ヤマソラ。相手ピッチャーは相変わらず緩急を駆使した頭脳的ピッチング。外角低めへの速球も伸びがある。その外角を引っかけてしまいサードゴロ。9番ユウタは空振り三振。1番キョウヘイはやや詰まったが飛んだ所がよくショート内野安打。が、2番タロウが見送り三振でこの回は0点。

 

4回裏は5番バッターから。リンタロウのコントロールも安定してきた。すぐに2ストライクに追い込み、力のある球で空振り三振。6番バッターも押され気味のファールが続き、2ストライクとして空振り三振。7番バッターは初球をサードゴロ。リズム良く3人で締めた!

 

5回表。3番サイソラはセンター前クリーンヒット!ビクターズ中軸打線の前に先頭打者が出塁、得点を期待したが、ここでサイソラへの二盗のサイン。しかしスタートが少し遅れてしまい、相手キャッチャーもドンピシャの送球でアウト!チャンスを潰してしまう。4番タクは力んでしまいファーストゴロ。5番リクトも唸るようなスイングで空振り三振。相手ピッチャーの巧みな投球術にまたもや無得点で終わる。

 

5回裏、リンタロウの球数は53球であったが、左のエースサイソラに交代!今大会、ケガから復活して以降のピッチングはキレキレ絶好調!8番バッターを2球で追い込み、快速球で空振り三振!9番バッターも簡単に2ストライクとなり見送り三振!初回からいい振りをしている1番バッターも空振り三振!三者連続三振!圧巻の投球!ベンチも大いに沸く!

 

6回表、時間的におそらくビクターズ最後の攻撃の回。円陣組んで掛け声を出してから、ベンチでリョウとショウタが、ユタカに大きな声で叫んでいる。「ユタカ、絶対に回すからな!!」4回裏からライトに入ったユタカ、この決勝でまだ打席に立っていない。誰よりもいつも声を出している副キャプテンであり、ガッツマンのユタカ!6番から始まるこの回、誰かが出塁しないとユタカまで回らない。「回すぞー!!」。そんな中での熱い叫び声!打席に向かうリョウ!リョウもこの試合初打席だ。初対峙の好投手との対戦、非常に不利な状況だが、外角直球に食いつき流し打ち。セカンドへのゴロ!リョウ、懸命に走る!セカンドがその姿にあせったのかエラー。出塁した!次は学校への登校班がユタカと同じショウタ!ベンチでのユタカとの約束を果たすべく気合十分で打席に立つ。2-2から執念の流し打ち!一二塁間真ん中を抜けるライト前ヒット!つなげた!1死後、みんなが作ってくれた二三塁のチャンスで、ユタカがいよいよ打席に立つ!今大会、なかなかヒットが出ず苦しんでいることも知っている。でもいつも誰よりも大きな声でチームを鼓舞し、献身的なプレイでチームに貢献していることもみんなが知っている。そんな中での大歓声!チームワークメートの期待を背に、大きな掛け声を出して構える。2ボール。そして3球目!鋭い当たりが右中間へ!どうだ!?伸びる!抜けたー!!ユタカ懸命に走り、二塁へスライディング!二塁打!塁上でガッツポーズ!この日一番の大盛り上がり!応援席からもすごい歓声!懸命につなげてホームに還ってきたリョウとショウタもグータッチで迎えられながら、改めて大喜び!貴重な2点、勝負を決めた大きな2点!

 

そして、最終回、先頭の2番バッターをキレのある速球でまたもや見送り三振。3番を2球でサードファールフライ。そして最後のバッターも見送り三振!6対1、ゲームセット!やったー、優勝だ!最後の最後まで油断ができなかった厳しい決勝戦。強い相手だった。だが最後のユタカの場面を見ると、本当にチームが一丸となった結果の勝利だと思う。チームメートを想う、みんなでつなげる、少年野球で最も大切なチームワークが見れた感動的な勝利。森コーチも泣きそうだった。

 

コロナ明け後、ケガ人などで苦しんだ夏だったが、ようやく強いビクターズが戻ってきた!ベンチみんなの満面の笑みが誇らしい。ご父兄も大喜び!本当に、嬉しい、嬉しい、待ちに待った優勝!おめでとう、ビクターズ!がんばれ、ビクターズ!

                                       文 根本コーチ

 
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