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後期ブロック別トーナメント

  最終順位決定戦

   準決勝 vs. 浦和エンゼルス

 ビクターズ 11 ー 1 エンゼルス

 
 
 
 
 

南ブロック優勝を決めたビクターズ!今回、特別に新設された各ブロックの同順位同士で、トーナメント方式により争うブロック別最終順位決定戦に臨む!南ブロック1位のビクターズの1回戦は、東ブロックの1位となった浦和エンゼルスさん。ビクターズが目指した東ブロックの覇者であり、4年生の時から死闘を繰り広げてきた積年のライバル!ケガ人復活でフルメンバーに戻ったビクターズは、東・南1位同士のプライドをかけた宿敵との決戦に勝利することができるか?!

 

初回、ビクターズの攻撃。張り詰めた空気が漂う中、トップバッター、頼りになるキャプテンキョウヘイが打席に立つ。初球、積極的に振っていくがファール。2球目、大きなレフトへのフライ。いい当たりだが少し上がりすぎたか。堅守エンゼルス外野陣は、危なげなくキャッチ。続く2番タロウもレフトフライ。3番、最近好調のサイソラだったが、こちらも大きなセンターフライ。これも難なくエンゼルス外野陣に捕られ、3アウトチェンジ。決して簡単な外野フライではないが、落下地点への動きといい、捕球姿勢といい、安定感を感じさせる。さすがの守備力、やはり強敵だ!

 

1回裏、先発は右のエースリンタロウ。制球力がつき、左のエースサイソラと並ぶビクターズ「投」の大黒柱!投球練習を見ると調子は良さそうだ。1回表に続く緊張感の中で、エンゼルス1番バッターを迎える。大切な初球。速球が外角にズバッと決まる!ストライク!その日の初球がストライクで決まると何となくホッとする。出塁すると非常にやっかいな足の速い先頭打者だったが、当たり損ねのピッチャーゴロとなり、先ずは1アウト!続く2番バッターは、いい当たりの大きなフライがレフトへ!こちらもリョウが落ち着いてキャッチ、2アウト!3番バッターにヒットを打たれるが、4番バッターもまたもや大きなレフトフライ。1回のビクターズ攻撃を連想させるような、続く外野への大きなフライであったが、ビクターズ外野陣も守備には自信がある!負けずに落ち着いてキャッチ!互いに初回は0点に抑えた。

 

2回表は不動の大砲、4番のタクから。ベンチや応援ご父兄がいつもホームランを期待している。前日の練習では、根本コーチの仮想エンゼルスピッチャーのボールを気持ちいいほど飛ばしていた!この試合では何かを予感させる。その第1打席、2-1から、鈍い金属音と共にいきなりバカでかい当たりが!レフトフェンスを遥かに超えていくすごい打球だったが、惜しくもレフトポールの左を飛んでいった。ホームラン級の大ファール!「おおー!」。続く5球目、大きな期待が集まったが・・・、あっさりと、見送り三振・・・。残念。続く5番リンタロウはショートゴロに倒れたが、2アウトから6番ショウタが腰へのデッドボール、7番リョウがよく見極めてのフォアボールで出塁!2アウトながら一二塁のビッグチャンスであったが、8番ヤマソラがショートフライとなり、この回も無得点に終わる。ただ、チャンスは作った。これからだ!

 

2回裏エンゼルスの攻撃。コントロールの良いリンタロウだが、緊張が続いているのか、珍しい4球連続のボールで先頭の5番バッターを歩かせてしまう。エンゼルス相手に先頭打者を出すとどうしても緊張感が増す。しかも足の速い選手だ。足攻に定評のあるエンゼルス、何を仕掛けてくるか!?ベンチにも警戒感と緊張感が漂うが、ここでリンタロウが驚きの進化を見せる。俊足ランナーに対し、先ずは軽いゆっくりとした牽制。ランナーは余裕をもって1塁ベースに還る。そして、リンタロウの速いセットに、ランナーも急いでリードを取ろうと出る。その刹那、リンタロウが今度は一転して素早い牽制!完全に予期していなかったランナー、慌てて戻るが、逆を突かれていたためか瞬時に戻れず、タッチアウト!悔しそうなランナー!対してビクターズベンチは歓声!ホッとした。しかしクレバーな牽制術だ。投手として成長を実感させる技。次の6番バッターをファーストフライに打ち取り、2アウト。が、エンゼルスも粘る。続く7番バッターがまたもやレフト前ヒットで出塁。下位打線もリンタロウの速球にきっちりと合わせてくる。ピンチが続く。8番バッター、1球目がボールとなった後の2球目、リンタロウの投球がワンバウンドになってしまう!機動力のエンゼルス、すかさず1塁ランナーが走り出す!いつもエンゼルスに掻き回されるパターン!しかしビクターズも6年になり、守備力は格段に向上している!タクが素早い動作と共に、矢のような送球を2塁へ。1塁ランナーを一二塁間に挟む!ランダンプレイは何度もやってきた。慌てず、着実にランナーを詰め、練習どおりにミスなくアウトとした。よし!流れが徐々にビクターズに来ていることを感じる!

 

そしてビクターズ3回表の攻撃。この回は9番、チーム一の俊足、スピードスターユウタからだったが、きれいないいスイングをするも残念ながら三振。次は1番キョウヘイ。上背のあるキョウヘイが打席に立つと、エンゼルス外野陣が全員深い位置に移動する。第1打席に続き、またもや大きなフライ!今度はライト方面へ。ちょっと上がりすぎた感もあったが、飛んでいる位置がいい!俊足揃いのエンゼルス外野陣、センターとライトの二人が落下地点に向かってボールを挟み込むように懸命に追うも、ちょうどその中間辺りに落ちる。ヒットだ!出塁!2番はワザ師タロウ。1球目は盗塁もなく、ストライク。2球目、ベンチがここで仕掛ける。サードの位置がやや深いと見るや、バントのサイン!バントが得意なタロウ、少しフライになったが、深い位置から前進したサードの手前にポトリと落ちる。サードが急ぎ一塁に投げるも、タロウはセーフ!送球がワンバウンドとなったこともあり、この間、キョウヘイは抜け目なく三塁へ!エンゼルス守備陣もまさかあのビクターズがバントをするとは思っていなかったのか、虚を突かれた格好。タロウ二盗で、1アウト二三塁のチャンス!5年生も大きな声で盛り上げる!ここで3番サイソラ。夏以降、急にバッティングの調子が上がり、好調が続いている。期待が集まる中、1-1から、完全に詰まった感じでフワリと上がったフライがサードの方へ!内野フライかと思ったが、サード後方難しいところに飛んでいる。どうだ!?サードが後ろ向きに追いかけるが、グラブに触れず、サード後方ややライン際に落ちるラッキーなヒット!キョウヘイが還り1点を先取!よし!アンラッキーなバント安打の後に、この打ち取った感のある打球がヒットになってしまうのは、どんなピッチャーも精神的に応えるもの。逆に攻撃のチームには畳みかけるチャンス!ここで、前の打席で派手なパフォーマンスを見せてくれた4番タク!今度こそと闘志を秘めて打席に立つ!3-1、バッティングチャンスのカウントとなった。塁上にはタロウ、サイソラの二人が!5球目、唸るようなスイングでバットを振ると、ゴンという音と共にボールは空を切り裂くように低い弾道で左中間へ飛んでいく。「低い!」と思ったが、45度もないような角度で、打球は全く落ちることなくグングン伸びていく!まだ落ちない!左中間最深部へ向かっていく!そして、なんと、なんと、そのまま柵を越えてしまった!お見事なホームラン!あの角度で?!スゴい!ベンチもご父兄も大歓声!タクは照れながらダイヤモンドを一周する!3ランホームラン!ベンチのみんなもヒジタッチでタクをお出迎え!大盛り上がりだ!4対0!一方、さすがに相手ピッチャーはやや気落ちしたのか、リンタロウ、ショウタが連続フォアボールとなる。リョウがショートゴロとなる間、それぞれ進塁し、2アウトながら二三塁のチャンス!そして粘りの打撃に定評のある8番バッターヤマソラ!3球目、少し上がってしまったフライがセカンド後方へ!これも面白い!堅守のセカンドが半身となって後方へ走るが、これも届かずラッキーなヒット!1点追加!またもや二三塁。ここで代打リクト。ビクターズ長距離砲の一人!2ストライクと追い込まれた後、当たりはいいがサード正面のゴロ。ただ、これが試合の雰囲気が影響を及ぼすものなのか、サードの一塁送球が逸れてしまい、後ろへ転々と転がっていく。その間に、ショウタ、ヤマソラの二人がホームイン、更に2点を追加し7点目が入った!ベンチは益々盛り上がってくる!そして、ビクターズの攻撃は続く。1番のキョウヘイがこの回2回目の打席に立つ。完全な押せ押せムードの中、カウント1-2から、タクとは違う高い打音!またも空に高く舞うような大きなフライがレフトへ!「うん、レフトフライかな!?」と一瞬思ったものの、1打席目、2打席目と違い、今度はなかなかボールが落ちてこない。伸びる!伸びる!いつの間にかレフトフェンスの方まで。レフトも懸命に追いかける。フェンスにぶつかる。捕られるか!いや、懸命に伸ばしたレフトの手をすり抜ける様に、打球が外野フェンスの向こうに落ちた!審判がグルグルと手を回した!やったあ、またホームランだ!なんと1回の攻撃で2回目の柵越えホームランが飛び出た!ベンチも父兄応援席もこれまで見た事ないような光景に大歓声!更に2点を追加し、この回なんと大量9点をもぎ取った!浦和一とも称される堅守エンザルスから9点。今の6年生は、低学年から元気のある選手達が多かったが、もともとノリやすいチーム、勢いというのは本当にすごい!そして少年野球の怖いところでもある。

 

そんな余韻の冷め止まぬ中、エンゼルス3回裏の攻撃は8番バッターから。リンタロウも大量点に気をよくしたのか、ややリラックスした面持ち。初球、ストライク。いい感じで肩の力も抜けている。威力のあるボールがいき、2球目はピッチャー前にボテボテ。打ち取ったと思ったが、リンタロウがショートバウンドで無理に捕りにいき、慌ててしまいファンブル。あせったのか、それが暴投となってしまい、素早いカバーリングには定評のあるユタカもさすがに届かず、1塁後方に転々と転がり、3塁までの進塁を許してしまう。うーん、さすがにいつも真面目なリンタロウも大量点でちょっと気を抜いてしまったか、もったいないエラー。だがそこは責任感の強いリンタロウ、次の9番バッターは、3ボールから追い込み、最後は力のあるボールで空振り三振!1アウト3塁。足の速い一番バッターの登場。一転して今度はストライク先攻で追い込み、ショートゴロ。判断良く3塁ランナーはホームに突っ込む。キョウヘイは落ち着いて捕って、間に合わないと判断し1塁へ送球、アウトとした。が、この間エンゼルスに1点を取られた。残念。2番バッターはセカンドフライ。タロウがキャッチし3アウト。9対1で終盤へ突入する。

 

1点を失うも9対1で迎えた4回表。この回は3番のサイソラから。エンゼルスは3回表、キョウヘイのホームランの後に左ピッチャーに交代している。左対左の中、やや相手ピッチャーも制球が定まらずフォアボールとなった。1点を取られた流れを相手チームに持っていかせないために、気を抜かずしっかりと追加点が欲しいところ。そして、次は、先ほどの打席で超ど級のホームランを打ち、気分が乗っている4番タク!足取り軽く、バッターボックスへ。眼鏡の奥の目も、心なしか闘志が増している感じだ。背中も大きく見える!ベンチの皆がワクワクするような目で見つめる中、またまたやってくれた!何と、その初球、いきなりの猛スイング!カキーン!今度は一転して、ドでかい当たりが空高く上がった!滞空時間の長い当たりがゆっくりと、だが着実にレフトの上空をまっすぐ飛んでいく!どんどん伸びて、レフトフェンスを越えて、そして、ドン!隣のグラウンドのベンチ屋根を直撃!あきれるような距離の大ホームラン!タク、この日2本目の柵越え!さすが浦和クラブジュニアの4番も務める我がチーム不動の4番バッター!そして、驚くべきことに、なんと1試合3本の柵越えホームランという浦和部会ではなかなかない記録!ナイン、指導者みんなに手荒い祝福で迎えられたタクも満面の笑み!その後、リンタロウがピッチャーゴロで1アウト、6番ショウタが気持ちのいいセンター前ヒットで出塁し、パスボールで1アウト2塁としたものの、代打のガッツマンユタカ、ヤマソラの後続2人が続かず3アウト。この回もタクの2ランホームランで追加点をあげ、11対1、ビクターズの押せ押せムードとなってきた!

 

4回裏からは最近の必勝パターン、左のエースサイソラが登場。リンタロウも角度のある速いボールを投げるが、やはりサイソラも速い!低学年から変わらないキレのある直球がこの日も一段とキレている!ケガから復帰後、やや不安定な面もあったコントロールが本当に良くなっている!ストライク先攻、小気味の良いピッチングで抑えていく。この日、当たっている3番バッターに2本目のセンター前ヒットを打たれるも、強打の4番バッターを2ストライクに追い込み、キャッチャーフライ。タクがいつものようにやや不安げにキャッチ!タクが捕るとなぜか沸く!続く要警戒の好打者5番バッターも初球セカンドフライ。タロウがいつものように危なげなくキャッチ!1塁ランナーは進むことができず2アウト!そして6番バッターを快速球で空振り三振!サイソラ登板により、一気に引き締まった!

 

5回表、ビクターズ自慢の長距離砲の一人リクト。大きな体にマッチしないトレートマークの軽量バットを鉛筆のように軽々振ると、痛烈な打球がセンターへ飛んだが、守備範囲の広いエンゼルスセンターが難なくキャッチ。惜しかった!続いて、ホームランを打ち気分の良いキョウヘイ。が、今度は少しスイングが乱れセカンドフライ。2番バッタータロウもいい角度でレフトへ飛んだがやはり正面を突いてしまいアウト。この回は無得点に終わった。

 

そしていよいよ最終回を迎える。エンゼルスは7番バッターから。初球を積極的に振ってきた。いい当たりがレフトへ。しかしレフトリクトががっちりと掴み、先ずは1アウト。8番バッターは2-1からサードゴロ。ショウタが落ち着いて処理し2アウト。いよいよあと一人!しかし最後の一人まで気は抜けない!ボール、ファール、ストライク、ボール。2-2となり、5球目、サイソラらしいキレのある速球が内角にズバッと決まり、空振り三振!ゲームセット!やったあ!監督、コーチ、ナイン、ご父兄の大応援団、みんな満面の笑みで喜ぶ!走・攻・守、レベルの高いプレイで勝利することができ、そして何といっても、あの強敵エンゼルスをようやく最後に圧倒し、勝利することができた!コロナによる活動自粛明け、チーム状態もケガ人続きで万全でなく、春から夏と続く苦しい時を我慢しての大勝利!本当に嬉しい!5年生の応援もいつも以上に飛び切り最高の応援だった!反省点がないとは指導者としてはあまり言ってはいけないのかもしれないが、今日の試合は6年生・5年生の選手みんなを褒めたい!素晴らしい試合!この勝利はずっと思い出に残ると思う!おめでとう、ビクターズ!やったね、ビクターズ!

 

(雑感①)

前日、仮想エンゼルスピッチャーを見立てたバッティング練習。タクをはじめビクターズ長距離砲軍団が面白いように外野の頭を越す当たりを連発していた。明日の試合では何か起こるのではとの予感を感じさせるものだったが、1試合3本の柵越えまでは全く予想していなかった。やはり前日の練習は自信を持たせることが大切であることを痛感。

 

(雑感②)

試合前ノック。調整練習の意味合いと同時に、云わば相手チームに実力をお披露目する緊張の時間。しかもライバルエンゼルスとの大事な1戦ということで、朝からナインは緊張気味。そんな中、今日は6年生11人が守備に入った。5分というショートタイムの中、内野・外野まったくエラーしないどころか、非常にきびきびした動き!内野陣のスムーズなプレイ、外野陣の安定守備と好返球、1つ1つの完成度がとても高く、気持ちのよいきれいなノックだった。4年生浦和カップ優勝時のことを想い、最後の最後に、本当にみんなうまくなったなあ、とシミジミと成長を感じさせる一時だった。ビデオを撮っておけばよかったと後悔。

 

                                      文 根本コーチ

 
 
 
 
 
 
 
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